朝、目が覚める。
が、起き上がれない。ひどく頭が痛い。二日酔いの類ではなく、低気圧とかの類だ。雪が降った昨日の低気圧が、遅れて作用しているのだろうか。そういえば、いつも気圧頭痛を遅れて感じるトレンドに乗り遅れる身体だった。
這うように布団を抜け出して、コップ一杯の水を飲む。暖房を一晩じゅう効かせていたせいで、唇がカピカピに乾いているのが分かる。少しだけ血の味も。流血って、現代だと医者とかレスラでないと身近にないと思っていた。そういえば、子供のときってけっこう派手に怪我することが多かった。両親や保健室の先生は、血を流しながら部屋に入ってくる子供を見て、気が気でなかっただろう。
そういった危険は、今の時代、子供の周囲から取り払われているのだろうか。私は家庭科や図画工作(技術)の授業で怪我をしまくっていた。もしかしたら私は、そういう部分でおおらかだった最後の世代なんじゃないか。
夜明け前の凍てつくような町を散歩する。寒いけれど、早朝の寒さは不思議と苦ではない。
家に帰ってからヨーグルトとパンを喰む。そういえば、Twitterで十割蕎麦がバズっているのを見た。健康にいいからとか抜きにして、単純に蕎麦が食べたいことを思い出す。夕方の買い出しで買うことを決意しながら、ガチャピン・ムックとラジオ体操第一。
足を曲げて伸ばす、腕を回す、軽くジャンプして、深呼吸。ひと通り身体を動かすと、不思議と体調は悪くない。血液が送られて素直に快くなる自分の身体が誇らしい。と、同時に、この程度で体調が良くなることが恥ずかしくもある。漫画的表現だと思っていた、「いやぁ、それほどでも」と言いながら頬を赤らめる謙遜は、それほど現実と乖離していないのかもしれない。